17坪 のこの土地に越してきて10年以上が過ぎ、築30年の建売住宅はかなり老朽化。もっと広い土地に越すべきか、ここに新築するべきか相当悩みました。 長男が生まれた年に独立し、その頃ここを購入。暗い台所と畳の部屋を改装し未完成のまま手を加えながら住んできました。風が吹けば雨戸が鳴り、雨が降れば隙間から吹き込み、北風が吹けば、キャベツ畑の土が舞い、建物の中は砂だらけでした。 それでも、住めば都。たった17坪の敷地だけれど、北側のキャベツ畑とブドウの森の向こうに見える花火は美しく、あれ程いやだった行き止まりの道路も子供達のいい遊び場でした。 結局、ここに木造3階建てを計画することにしました。 とにかくローコスト。 第1種住居専用地域、建坪率50%、容積率100%、第1種高度斜線、風致地区等々。あまりに制限が厳しい。 建坪はたったの8.5坪。建築基準法とにらっめっこが続きました。 出窓の緩和・容積率の緩和・ベランダと建坪率・・・等々。 建物の構成はいたってシンプル。水廻りと玄関等を1階に配置し、2階は完璧なオープンスペースとし、北と南を全面開口、東と西はしっかり閉じる。3階は就寝スペースとし、徐々に区画を設けていくことにしました。2階のオープンスペースは、構造的に切り離されたバルコニーと一体となるようデザインし、全体に広がりをもたせてあります。 工務店の工事が終了してから1年と半年が過ぎました。 3階にロフトを作り、子供用のベッド・棚を作る。間仕切を欲しがる子供を尻目に自分のソファーベッドを作る等々。 またまた、この家も未完成。
住まいの設計別冊 「住まいづくり百科85」 美しい家別冊 「小さくてもすてきな家は建てられる」 |